Concept

素材と丁寧に向き合い、
手仕事で紡ぎだす
糸のかたち

布には、編み物、織り物、組み物の三つ柱があります。
何本もの糸を用いて組んでかたちにする。
一本の糸を編んでかたちをつくる。
私が用いる織りは、縦糸と横糸の二つを組み合わせてかたちにしています。

二つが単純に交わっていく平織り。
手を動かしながら頭で描くデザインは、その時だけのもの。
それは手仕事のよさであり、触れながら考え、感覚を織り交ぜて変えていかれる面白さがあります。

創造してつくる。
彩がかたちになっていくのが好き

一台の機織り機から、服もバックもタペストリーも、全てが生み出されます。
糸を散らばして、全てを見て、選ぶ。
イメージに合わせて組み合わせ、1日がかりで糸を整経します。
絵を描くことも機織りも、準備が半分以上。
やってみないとわからないワクワク、無心になれる静かな時間は、私にとっても大切な時間です。

縦糸と横色の色の掛け合わせは無限にあり、織り上げた後洗うとまた風合いが変わる。
裁断して洋服に仕立てて完成するまでの長い長い道のりはとてもアバウトで、感に頼る世界。

感性で手にしたい、
あなたが纏う一着

「巡る季節の感動をかたちにする」をテーマに多様な色を扱うのも、わたしの作品の特徴です。
よく汚い色という言い方を耳にするけれど、「世の中に汚い色は絶対にない」というのがわたしの考えで、
組み合わせによってどんな色も活きる、と信じています。

日本のゆたかな四季は、草木や花の色、質感、それぞれのイメージを持ちます。
青は涼しく、赤は情熱的。
冬はカラフルに温みを、夏は涼やかに爽やかに。
ひとつひとつ違った表情を持つ作品を、あなただけの感性でぜひ、手にとってみてください。